龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。

ちなみに六年花組の演劇は、白雪姫だ。

投票により四葉はお妃役、自らの立候補でリンが白雪姫役を担当する。

魔女の衣装を纏った四葉が舞台に姿を見せると、観客から驚きの声が上がった。

(……だよね!)

それもそのはず。

四葉の演じる魔女は、驚くくらい役にハマってるのである。












その後も劇は問題無く進む。

ステージ上で白雪姫を演じるリンを見て、ナゴミはふと思った。

ウィッグでプリン頭を隠していても、若干ツリ目気味でキツそうな印象のあるリンの顔は、姫っぽくない。

どちらかと言えば……

「遥加ちゃんの方が白雪姫似合うと思うな」

「えっ?いや、ワタシなんて……無理だよ、無理無理……」

零れた言葉が偶然近くにいた本人に聞こえてしまった。

遥加はパタパタと手を左右に降って否定しまくるが、薄暗いステージ脇でも分かるくらい顔が赤い。
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