引っ越し先はあたしの隣⁉︎






──昼休み。



空き教室を見つけたあたしたちは昼食を食べ終えてから2人を説教中してます!


教卓にあたし、なっちゃん。

その前に並ぶ椅子に隼田くん、北川くん。


という状況で。


とは言っても、説教に熱が入ってるのはなっちゃんだけなんだけどね。


あたしはその隣で彼らを見てるだけ。


なっちゃんのオーラと隼田くんたちのオーラの差が激しすぎて笑いたい所なんだけど、我慢我慢。



「そこ!ニヤニヤしない!」

そう言ってあたしを指さすなっちゃん。


……なっちゃんの目ってどこまであるの?

なんて思いつつあたしは口に手を当てて素早く頷いた。



我慢できてなかったみたい。


なっちゃんの目怖いよ。

あんな目つき初めてみたよ!?


すると、隼田くんと目が合った。


目が合っただけでこんなにドキドキしちゃう。

そのうち顔は赤くなるし。


けどそんなの今は気にしてる場合じゃない。

なんたって説教中なんだから。


あたしは隼田くんに笑いかけた。


隼田くんは一瞬真顔になってそれから、うつむき加減だけど口角を上げて『ばーか』って。



口パクだけど言ってることはたぶん合ってると思う。



ばかって。ばかってなに!

バカじゃないもん!!

いや、馬鹿だけどっ。



むっ。なっちゃん!まだ説教足りてません、隼田くんの方が!!


目をなっちゃんに向けるけど、気づいてくれない様子。



チラッと隼田くんをみる。


うっ、目が合ってしまった。

笑ってるし……。



もー、ムカつくけどいちいちドキドキしちゃうんですけどーー!


しっかりしろっ、あたし!


いま怒ってるんだから。



「ってことだからっ!次そういうことあったらもう一緒に行かないからねっ!!!」


全て吐き出したのかゼェーハー、ゼェーハーと肩を上下させてるなっちゃん。



「もう済んだ?飯島」

そう聞いたのは隼田くん。



「分かったから、飯島さんごめんなさい!!」

続いて北川くんが言った。



なっちゃんは「よろしい!」と言っていつもの笑顔に戻った。


北川くんに対しては小悪魔なような笑顔を向けてたような気がするんだけど、気のせいかな?



ま、いっか!なっちゃんの気が収まってめでたしめでたしだから。









< 120 / 237 >

この作品をシェア

pagetop