引っ越し先はあたしの隣⁉︎






選択制の授業だから3学年勢ぞろい。


だから座席は学年ごとにまとまってて、2年生は真ん中あたりの領域に集まってる。


あたしは一番後ろの席で

隼田くんは隣列の一番前の席なんだ。


いつも隼田くんの背中を眺めながら授業を受けてるのは彼には内緒。


ま、隼田くんはエスパーだから?分かってると思うんだけど。



そう、授業が終わって隼田くんのところに行こうとしたら


女の子が隼田くんに話しかけてたの。



いや、それにはなんも思わなかったんだよ?

だってこんなのはもう普通のことなんだもん。


隼田くんはモテるからね。



隼田くんに話しかけてる女の子。


背が高くて、とても綺麗なんだよ。切れ長の目か特徴的な彼女の名前は


神楽愛希菜(カグラアキナ)ちゃん。



ちなみに同じクラス。


確か、体育祭の時にリレーに出てた子だと思う。


そう!隼田くんの前に走った子。


あの時の隼田くん最高にかっこよかったな〜。



っ!じゃなくてっ。




2人はいま何話してるのかなー?


なんてやっぱり気になっちゃうんだけど。

こんな事ぐらいでクヨクヨしてたら重い女って思われちゃうよね。


うん、気にしない。気にしない!


でも……。



気になっちゃうなー。


だってめっちゃ笑ってるんだもん!


隼田くんも。


あっ!い、いまっ!神楽さんタッチしたっ!!



っ……。


また。

また!


また、触ったよ?!

何回タッチしてんのさっ!!



むっ。


隼田くんだってめっちゃ笑ってるし。

すごい笑ってるし。

あたしに向けるようなクシャっとした笑い方。



……うっ。ダメだっ。こんなの凄いウザイ女みたいじゃん。



……なんで神楽さんに笑うの?


……あたし待ってるんだよ?


……早く帰ろうよ。


……そんな笑顔、向けないでよ。




あたしはこの場に居たくなくて教室から出ていった。








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