引っ越し先はあたしの隣⁉︎







「はーやーたーくんっ!」

「うォっ?!」



そう言っちゃうのもおかしくないよね。

だって突進して抱きついてみたんだから。


抱きついたって言っても、腕にだけど。


……痛かったかな?


痛かったよね。ごめんなさい!

いや、自分でも正直ビックリしてるんだよ。


だってこんな行動普段の自分から想像できないもん。

自分から抱きついて行くなんて……!


で、でもこれは一応お仕置きだもんねっ。

だけど!これお仕置きの意味違うような……気がするんだけど……?



隼田くんは少し驚いた表情をしてこちらを向いてる。

あたしは、この行動に驚くとともにみるみる顔が熱くなっていく。


は、恥ずかしいっ。恥ずかしすぎるっ!


我ながらなんてぶっ飛んだ行動をとってしまったんだろう。


このままずっとこうしてもいられないので、隼田くんから距離を置いた。

1mくらい空けたつもりなんだけど。


隼田くんに腕を掴まれて距離が逆に近くなってしまったんだけど!?



なんか顔が。

目が黒く光ってるよ、隼田くん。

なんか嫌な予感。



「顔赤いよ?」

「木下可愛い」

「なんで黙ってるのー?」


一言も喋らないあたしにこうやって言い迫ってくる。


……また『可愛い』って言った。

可愛いって。




……顔上げられない。

しかもなんか隼田くん可愛いし。

可愛いは隼田くんの方なんだけど!!


って言うとSっけ全開になると思うので言えない。


もうSっけ全開か。


あたしの恥ずかしさが最高潮に達したところで逃げるように走り出した。











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