学園世界のイロジカル

1.テストの時間

春季学生決闘から、早2週間が過ぎ。



あの事件が半世界中で話題となったのはたったの数日、ニュースになったのも新聞にあがったのもたったの1日だけ。



2週間も経ってしまえば、普通の人はおろか学園の生徒でさえポツリポツリと記憶から消されていったあの事件。



……それもそうだ。




なぜなら、



今日、テストなんですから。






「最近私ほぼ寝てないよ…学生決闘の後だから疲れてたし……」



「不健康ですね、自分が納得いく睡眠時間をとらないといけませんよ、せめて」



「…零はどれぐらい寝てるのよ最近?」




僕ですか?と言ってちょっと考えた顔を浮かべた零は、


大真面目な顔で




「3時間弱は毎日寝てますし大丈夫です」




「私はその時間でこんなふらっふらなんですー!!

もうやだ、体質恨む!」




寝るのは大好きだけど、夜には結構強い私は夜ふかしを平気でしてしまう。



……後悔するのは朝起きてから。



なにか朝にやることでもあったら大丈夫なんだけど、別に普通の日だったら…結構寝ちゃう。




睡眠不足も簡単には解消されないし…解消されないまままた最近夜ふかしを…




なんて悪循環で、今私はふらふらの最盛期にいるのです。




「体質、ですか…

椿の両親もそういった体質なのですか?僕は父が睡眠時間少なくても平気な人でしたが…」




……なんて、答えよう。


頭の中でいろいろな言葉を探してみるけど、これ!と言ったものが見つからない。



きっと零のことだからなぁ、聞いたことを後悔するかもしれないし。



しばらく答えられないでいると、私の背中をバシッ!と誰かが叩く。



思わずこけそうになっちゃったじゃん!



誰ですか!





< 302 / 533 >

この作品をシェア

pagetop