学園世界のイロジカル
これ…罠か?



いや、でも…警備のやつらはたった今さっきやられたっぽい動きをしてるし。



…あ、完全に動かなくなった。



多分死んではいねえけど、ぜってえ気ィ失ってるって。ありゃ。



やっぱり罠か?





………いや、いくら罠でもかかった方が早い。


かかって王城内に入れた方が好都合。



…1人で侵入すんのがどれほど危険なのか、そんなん分かってる。



でも…


地を蹴り、警備の2人をそれぞれ2回思いっきり蹴った。


…あれ、動かねえ。


……罠じゃ、ない?




1人の警備員のポケットから鍵を取り出し、極力静かな音で開ける。



…カチャリ。



そう、音がした瞬間。



俺の肩に、確かに手が触れた。




「っ、!!」



反射的に俺の手が、後ろにいるやつへと伸びる。



…って…誰もいねえし。


いやでも確かに…




「柊。早く行きましょうよ」



ギイ、という小さな音とともに、そんな声が聞こえた。



この、声は…



「1人で行くなんて水臭いっつーの。

早く行くよ?」



「お前ら……」



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