学園世界のイロジカル
なんでここに、そう続けようとした口元は椿の手によっておさえられた。



「私たちだってたてたんだよねー、誓い」



「…は?誓い?」



「そー。

…絶対に仲間を見捨てない、ってね!」




…だてに高校から長月宮来てねえや、こいつら。


さすが、頭の回転はすっげえはやい。



結局俺は、いろいろバレてたってわけか。




「僕たちが知らぬ間に終わらせようとか馬鹿ですか阿呆ですか。


人の誓い、勝手に壊さないでくださいよ」



零の言葉に、思わず口元が緩む。


笑ってる状況じゃねえっていうのに、口元の緩みはなおらなかった。





「龍矢の誓いだとか、ナミの真意だとか、

そんなの知る由もないけど。

生憎、なかなか私はめんどくさーい性格の持ち主でね!」



椿はするりとドアの中に入った。


奥にいるせいで、ちゃんとした表情は分からねえけど、多分、笑っている。




「…人の気持ちとか、人の希望とか、そんなの知らないよ。


私はただ真っ直ぐ、自身が選んだ道へと、



信じて歩幅広げて突き進むだけだよ!」





…こいつらには敵わねえ。





「…良いじゃないですか。

椿の道がどんな道なのか。


僕は興味がありますね」




俺は零の言葉に、笑って答えた。





「俺もちょうど、そう思ったところだ」





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