願う場所、望む奇跡
それは、女性ならではなのだろう。
今も家で義哉とコソコソやっていたら、何かあると思われるかもしれない。
「親子の縁を切られる可能性もある。
それでも俺は、母さんより夏希を選ぶから。そこは、譲れない」
きっぱりそう言う義哉の気持ちが嬉しくて、自ら義哉に抱きつく。
「私を好きでいてくれてありがとう。
私も、自分に自信が持てるように頑張るね」
そう言うと、頭を撫でながら耳元で囁かれる。
「夏希はそのままでいいよ。ただ……もう少し名前を呼んで欲しい」
「名前?」
顔を上げて、不思議に思って首を傾げる。
「だって夏希、あまり俺の名前を呼んでくれないんだもん。夏希は、母さんの前でも呼べるのに」
だもん、て可愛く言われても……。
まさか、そこを不満に思っているとは思わなかった。
「……慣れなくて」
「慣れない?」