願う場所、望む奇跡
急に、私に話しが振られて驚いた。
だけど、呼ばれたからって振り向けない。
未だに肩は掴まれたままで、義哉の顔は近くにあるから。
「次、あんなの来たら無視でいいから」
「そうなんだけど、無視して家までついてこられたら嫌だし。そう思ったら、対応した方がいいかなって……」
義哉の声が、思った以上に近くから聞こえて、心臓の音がうるさくなる。
振り向くどころか、顔さえ上げられない。
「確かに、夏希さんの言い分は正しいね。義哉、家知られるの嫌だろう?」
「嫌だね。知られていいことなんて一つもないし」
「前回、散々だったもんね」
悠弥くんが笑って言っているけど、何の話しか分からない。
この2人、お互いのこと何でも知っているんだな。
まぁ、私と莉亜も似たものか。
何でも言い合っているし。
「夏希さんが巻き込まれるのが嫌なら、姉だってこと公表したら?」
そうだ、公表してもらったらライバル意識はなくなるはずだし。