螺旋上の赤
(うーむ、もしかすると橋の下かなぁ。)

とりあえず覗き込んでみる。
この下に落ちてたら浅い川とはいえ、もう流されてしまっていて見つからないだろう。

歩道とは打って変わり、下の川辺は暗くてよく見えない。

(うん……?なんだ?)

川の中で何かが動いている。
ハッキリとは見えないが、何かが動いているのは間違いない。

(——人?この寒い中、川に人が?)

欄干から身を乗り出して川辺を凝視する。
暗がりのせいで良く見えない。
このクソ寒い中、日も暮れた時分に川に入るような変わったヤツ。

(——まぁ、とりあえず下へ降りないと始まらないか。
 変な人じゃありませんように……!)
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