螺旋上の赤
「うきゃああああああああああ!!」

人生一番のとんでも声が出た。
この世の終わりかと思った。
とって食われて、宇宙に捨てられ
月の砂漠に遺言を。

(花奈、レポート本当にありがとう……。)

驚いた拍子に足に葦の葉が引っかかり、川に倒れこんでいく。

さぁ、辞世の句を読み上げよう。


長月の
風にそよいだ
葦の葉に
足が絡まり
さよなら現世
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