螺旋上の赤
「ホントに分からない?」

「分かる訳ないでしょ、何もないんだから。
 もったいぶらないでよ。どうせ適当言ってるだけのクセに。」

「小学校、どこだった?」

(は?急に何、小学校?)

「俺は城北小学校。」

私と同じだ。

(ん?待て待て……。
小学校時代の、『神山 有』……『かみやま ゆう』?
何か思い出しそう。)

「思い出したか?」

(今思い出してるところだから待てって。)

「そう、俺たちは昔会ったことがある。」

(だから待ってってば!『そう』って何がよ!?)
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