幽霊なキミ。
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高校を卒業して、私は地元の大学に進んだ。



そして。





ボーンボーンと、2時の柱時計が鳴る夜に目覚めても。




「むにゃむにゃ椿ちゃんもう食べられないよ……」



「……そんな絵に書いたような寝言いう奴いる?」





私の隣には、直人がいる。 




私は幸せな気持ちで再び目をつぶった。






直人は高校を卒業してすぐ、私と同じ大学に進学、私の家に下宿している。



私達は晴れてカップルになり、直人の両親も、それ以上にうちの両親は「跡取りが来た!」と大喜びで、両家に祝福されて、今に至る。
  



私は、腕につけてるブレスレットを触った。




(……落ち武者と、椿姫のおかげかな……。)




あの後色々調べると、椿姫は出産をしていて、遠藤家はその子孫だということが分かった。




父親は誰だかわからなかったんだけど、私は勝手にあの落ち武者だったんじゃないかと思っている。




(一途な姫だもんね。それに……武士の姿の時はまぁまぁイケメンだったし。)



そんなことは、まぁ、もう、どうでもいいんだ。





私は直人の胸に顔を寄せて、その鼓動を感じながら、優しい眠りについた。








ーENDー
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