幽霊なキミ。
次の日の夜。
ボーンボーンと柱時計が鳴ると同時に目が覚めてしまった。
こんな時間に起きる必要ないのに……習慣って、恐ろしいわね……。
うっすらと目を開けると、布団の下のほうの右側にナオトは座っていた。
あんなにひどいこと言ったのに、今日もいるなんて。
私は、嬉しいような、とても悲しいようなもどかしい気持になる。
暗闇の中で見えた、寂しそうな横顔。
キュッと胸がしめつけられ、思わず声をかけそうになる。
……ダメ。それじゃ意味が無いの。
私は目をつぶって、ナオトに背を向けるように寝返りをうった。
「椿ちゃん……?起きてるの……?」
ナオトが静かに声をかけてくる。
私は息を殺して、それに決して答えなかった。
週末まであと3日。
それまでに、どうか、私を見放して。
ナオト。