幽霊なキミ。
………おかしいわね。




般若心経も終盤にさしかかったのに、金縛りはとけないし、落ち武者の勢いが止まらない。




「許さぬ……許さぬ………」






その声は前よりも凄みが増していた。





もしかして、ナオトがいて出てこれなくて恨みが募っちゃった……?






……怖いと思ったら負けよ。





恐怖心を押し殺して、お経を読み続けた。




その時だった。









「だからお前!!椿ちゃんにかまうなって!!!!!」







聞きなれた声。




見慣れたその人が、落ち武者に、ドロップキックを食らわせた。
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