女のたしなみ
会社にて

「主任。〇〇地区の数字が伸び悩んでます」

「土田君の判断でいいから、仕入れの数に対してサンプル付けるように言って丸め込んで」

「主任。次のキャンペーンの企画書ですが……」

「あー……っと、もう少し見やすい方がいいなー。こことここを大きく出して、ここを広げて数字を見せて、2時までに作り直してもう一回見せて」

「主任。▽◇店長のお見舞いはどうしましょう?」

「ご機嫌伺いに病院にお見舞いに行こうかな。あそこの店長数字出してるから。誰か行ってくれない?」

しーん。
誰も手を挙げないかぁ。
猛獣のような店長だからな
デビ夫人に顔も似てるし

しゃーないなぁ。

「私が行くか」ボソリと言うと

「主任が行くならお供します!」

「私も行きます」

ゾロゾロと金魚のなんとかみたい

「一人でお昼に行くから大丈夫」
言い切ってやる。

そうだよ
朝吉牛できなかったから
昼吉牛してやる!

ウキウキと近所の吉牛に入るつもりが、上司がいたから足が止まった。
肉食べながら仕事の話はしたくない。
あぁ
つゆだく。

仕方ないから
朝マックしてたら窓越しに部下に見つかった。

「新聞読みながらコーヒー飲んでる姿は素敵でした。いかにもデキる女って感じで、私は主任の部下で誇らしいです」

キラキラと目を輝かせて言われた
そして
その周りの部下も目を輝かせる

私の部下はワンコロが多い。
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