チキンとウサギ

入間蓮司クンは、笑顔が素敵なヤンキー

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「お前さ、バス停で一緒だったろ?」

『そっ、そうですね』

「あんとき金額聞いてもビビらずフツーに教えてくれたからいいやつなんだなって思ったんだ」

『(いやすごいビビってたけど)あ、ありがとうございます』

「つか、一年だよな?」

『は、はい!』

「ならタメ口でいいよ、同じ学年だろ。名前教えろよ」

『えっと、篠目愛です、じゃなくて、だよ』

「そーか、篠目か!俺は入間蓮司」

『よ、よろしく入間k「蓮司でいいよ」』

蓮司って呼んでくれよ、友達だろ?


じっと目を見つめられて言われたけど、目力すごいわこの人

「俺さ、友達あんまいねぇんだ、んでお前優しそうだし頑張って話しかけてみたんだよ」

『そ、そうなの?』

「なんか皆俺のこと避けるんだよな、俺別になんもしねぇのに」

『そうなんだ、クラス違うからあんまり知らなくて(嘘)』

「まじか、まぁそうなんだよ…でもお前と友達になれてよかった」

『そう、ならよかった…』

時折ニコニコして話す蓮司くんからは顔面血まみれとかそんなイメージ出来ないけど、多分放つオーラが怖いんだと思われる

『(でもなんか、犬っぽい)』

「つかさ、今日誠と食べようとしてたのにあいつ保健室で寝てやがるし」

『誠?』

「あ、俺の唯一の友達なんだよ、今はお前も友達だから唯一のじゃねぇけど」

『そうなんだ(友達いるんだ)』

「一人でメシ食うのさみしいし、俺話すの好きだからさ。一人って不安になるだろ…」

パンを片手に蓮司くんは呟いた

『わ、私自他共に認めるビビりだから一人寂しいのわかるよ』

「!そーなのか」

『う、うん、今日も友達委員会に呼ばれて途中抜けたから…弁当そのままで』


あら不思議
こわいけど、笑顔を見るとさくさく喋れる。


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「愛!ごめん!委員会長引いてあんたほったらかしにしちゃった…!」

『あ!いいよいいよ、残りのお弁当勝手に閉めちゃった』

「ありがと、ちゃんともって帰ってくれたんだ」

『うん、そのままにはできないよ!』

「……あんた、なんかあった?」

『え?』

「ものっっっすごくニコニコしてるよ…」

『そうかなぁ?なんか気持ちがフワフワするんだよね、春だから?』

「なわけないでしょ、私がいない間になにあったの?」

『えっと…入間蓮司くんと友達になってしまった…』

「……………………え?」

もともと目がクリクリしてる友達は更に目を見開いて驚いた。

「い、いやいやいやいや、ないないない!どした?夢でも見てた?」

『いえいえ、あれは夢じゃなくて現実だったよ…』

「愛…御愁傷様だよ…」

『殺すな!』

私だって信じれないんだから
どっちかと言うと怖いけど、話してみると人懐っこい感じがしたし…こわいけど

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放課後

「あーいー、私委員会で残る事になったから先帰ってなよ」

『えー、なんかずっと委員会ばっかりだね』

「ごめんねー、もうすぐ体育祭あるじゃん?それに加えて文化祭のまで軽く決めよーとしてんの」

『そっかぁ…無理しないでね、今日は私先に帰るね!』

「おっけぃ!気を付けてね」

『ほいほーい』



部活や委員会に向かう人混みをくぐり抜け、靴箱へ向かう。

一年の靴箱が近づいてくると、おそらく別クラスの生徒が

「あの人顔こわいよね…睨んでくるし」

と話ながら通りすぎて行った。

『(ましゃか…)』




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