闇のうさぎのココロの唄
ガラス越しの再会
荒んだ生活でも
贅沢が出来る事が
お互いを納得させていたね

いつからか
二人でお店を出そうなんて
同じ夢を見始めて
これからという時に
逮捕されたんだ

自業自得だけどね

冷たい鉄格子の中で
どれくらい
時間がたったのだろう
君の事ばかりを
考えていた

罪を犯したという
反省の気持ちは
全くなかった

ただ君に申し訳なくて
申し訳なくて・・・

君に会ったのは
数日がたってからだった
狭い部屋に入ると
ガラスの向こうに
大きな目を真っ赤にして
涙をこらえてる
君がいた

バカなんだから・・・
元気?・・・

肩を震わせながら
涙をこらえて
しぼりだすような声で
無理に笑顔をつくる
君は怒る事もなく
僕を見つめていたね

いたずらに時間が過ぎ

また来るね

背を向けた時に
ハンカチを目にあてて
ドアを出て行く君に
声すらかけてやれなかった

鋭いナイフで胸を
刺されたような
激痛がからだを走った

鉄格子の中ゎ時間が
止まったかのようだった
金の為に忙しなく
動いていた外界とは違い
自分自身と
向かいあえた

彼女と籍を入れて
ようやく掴みかけた
夢の生活が
握りしめた拳の間から
あざ笑うかのように
溢れ落ちていく

なんて僕ゎバカなんだ!
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