アジュールブルーに彩られ
強く、笑え。
―10年後―






ピピピピピピ

「あおー」



ピピピピピピ

「起きなさーい。」



ピピピピピピ

「あーおっ!」

「ん…」


俺を呼ぶのは
天使の声?





バチッ

「い゙っ」

「こらっ!いつまで寝ぼけてんのよ。」



天使の声…じゃなくて
なんだ、姉ちゃんか。




「なに、そのあからさまに残念そうな顔。はぁ…何の夢を見ていたのかは知りませんが遅刻しますよ。」


「え?あ!やべっ」



やばいやばい
今日は入学式だ









ネクタイを締めてくれながら
申し訳なさそうに言う


「ごめんね、今日お姉ちゃん行けなくて」

「いいっつーの。逆に来られると恥ずいし。」

「でも、」

「いいんだよ!朔(さく)ん家だって来ないってゆってたし。」

「…う、ん。」



昔からこうだ
いつも申し訳なさそうな顔して
いつも必要以上にこだわって
馬鹿みたいに俺を大事にしてくれる。










「…朝ごはんなに。」

「ふふ、きょーはねぇ張り切ったのよん」

「卵?!卵?!卵?!」

「クスッ、卵もありますよ。ほら先に顔洗ってうがいしてきなさい」

「ういー」





俺は姉ちゃんがいてくれるだけで充分なんだ

俺も同じように…ちがう、
もっと、それ以上に大事に思ってる



そんな事いえねぇけど。











「忘れ物ない?」

「おう」

「歯磨きした?」

「ったりめーよ」

「あ、…彼女は連れてこないでね。おねぇちゃん嫉妬し、」

「ばかあほ、作らねーよっ、あほっ」


俺も同じ愛を返せればいいのに
俺だってあなたを守りたい。



過保護で不器用で強がりで弱虫なあなたを




「…あー、りがとな。じゃ」

「え?あ。」


バタン






感謝で返したいわけじゃない
同じ愛で返したい
だけどこの愛はすこし曲がってしまったからありきたりな気持ちで返すしかないんだ。



この扉のように
彼女への想いも閉ざして欲しい





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