アジュールブルーに彩られ



外に出ればすぐ
軽快なステップで横から
見慣れた奴がやってくる。





「おっはよーんっ」

「…」

「あれぇ?青くん?お、は、よ、う、が聞こえないよぉ~?」


うぜぇ。
が、小学校からの仲だ




何となくコイツには気が許せる
素でいられる、気がする



それに何より俺の家の事情を知っていてなおかつ理解してくれている唯一のダチ、だ。






「はよ。」

「んもぅ、この子ったら久々に会えて嬉しいからって照れちゃって。」

「…昨日もお前、ウチに来たよな。」

「あら、そうだったかしら?」


そうだったかしら?…って
ふざけんな!
こっちは姉貴の休みと俺の最後の春休みをお前の能天気なウザさでぶち壊されたってのに



それに“あの人”も当分は帰ってこないだろうから…







「つーか朔。その口調やめろ、きもい。」

「呼び捨てされちゃった!きゅんっ」

「…」

「うわ、ごめんって。もうふざけないからそんな目して俺を見ないでくれぇー」






コイツが浮かれるのもわかる
なんたって今日は入学式
期待と胸ふくらむ日々…




ま、俺には関係ないが







外での日々がいくら楽しくたって
いつまでも変わらないモノがあるのなら
それは無意味なことだろう。








姉ちゃんが笑ってくれるのなら、
それでいいんだ俺は





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