一ノ瀬さん家の家庭事情。
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バスの窓を開けると、潮の爽やかな香りが鼻をくすぐる。

窓から見えるのは、青い海が太陽の光を浴びてキラキラ光ってるこの景色。

「よし、そろそろ着くぞ!」

キャプテンの声に、いよいよ合宿が始まるんだなってワクワクする。


「愛!変な男に引っかかるなよ!無事に帰ってこいよ!」

大袈裟にいうりっちゃんに真兄はあきれ顔。

「大丈夫だって。うちの部員、こんなガキ相手にするほど暇じゃねえから。」

ガキって…

いいもん!

なにはともあれ、二泊三日、浅丘君と一緒に過ごせる!

夏休みに入ってから部活であってもなかなか話せなくて。

部活の後もあたしは実行委員の集まりがあったりして忙しくて。

だからこの合宿で少しでも距離が縮まるといいな、なんて。

なんてことだけを考えていられたのも、つかの間。

宿舎につくとすぐに部員はアップをとりはじめた。

マネージャーは急いでドリンクづくり。
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