一ノ瀬さん家の家庭事情。
「レイちゃんもだぞ!俺ら友達なんだからな!」

葉ちゃん、ほのちゃん、ごめんね。

せっかく気を使ってくれて来てくれたのに。

「一ノ瀬、無理すんなよ。辛いことあったら溜め込むな。…俺に相談してっていうもの変だけど、一ノ瀬には笑っててほしいから。」

浅丘君の言葉にこらえてた涙が溢れそうになる。


みんなが帰って静まりかえった家の中。

最初に声を出したのは、あたし。

「…あたしのお父さんとお母さん、暁君と唯ちゃん、ってことだよね…」

神崎ってたしか暁君の名字だっていつか聞いたことがある。

二人は恋人だって聞いていたけど、本当は結婚していたんだ。

そして、あたしはお母さんとお父さんの子供じゃない。

暁君と唯ちゃんの子供なんだ。

だから、とういうことは…

「…あたし、みんなとも本当の兄妹じゃないの?」

その言葉を自分で言ったくせに、堰がきったように涙が溢れ出る。

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