あなたに伝えたいこと
出発の会の最中。
まだ左足首が少し痛かった。
「小堺さん。本当に大丈夫?」
後ろから悠樹が声をかけてきた。
「うん、大丈夫大丈夫!」
「ならいいけど…痛かったら無理しないでね?」
本当に悠樹は優しい。今更だが、振り替えると恥ずかしい。あれは恥さらしだ。
なんでボールを…あそこで加わらずみていたらら…
『悠樹君!!カッコいいよ!!』
とかベンチに座って言えてたら可愛いかったのに…私は、つくづく男の子っぽいと思う。
出発の会が終わり、みんなが立つなか左足首に力が入らず、立てなかった。
すると、誰かが左手を差し出してきた。
「やっぱり、痛いんじゃん。」
悠樹だった。その手に掴まった。
「ごめん…ありがとっ…」
私がお礼を言う前に、悠樹が「ごめん」と謝りながら、右腕で私の左を抱え、抱かれるようにして立った。
周りからちょっとした声があがる。
先生達が静かにしろと呼び掛ける。
そんな声が聞こえないくらい、自分の心臓の鼓動が大きく聞こえる。
あぁ…私---
『悠樹が…好きだ。』
こんなことで、自分の気持ちを再確認してしまった。
「俺、湿布持ってるから…ちゃんと手当てしなきゃ。先生に言えば、いけなくなるかもだし、小堺さんも気まずいよね。」
何も言えず、私は、放心状態にいた。
「あ、進み始めた…掴まっていいから。気を付けて進んで…」
私は、無心のまま掴まり、バスに乗り込んだ。