紅桜の散る頃に。
私が座ろうとすると、また二人が喧嘩を始めた。

「お前があっち座れよ!!俺はいっつも水穂の隣って決まってるんだよ!」

嘘をつくな!!!嘘を!!!!!

「はぁ?お前があっち座れば?別に決まってるから何?って感じなんだけど」

かなくんが冷たい目で蛍を見る。

あー!もう!!

「二人ともあっちに座って!!!!」

私は向かい合わせに座るように指示して注文をしに席を立った。

「あ、まてよ 俺も行く、」

「俺も」

はぁ....


各自注文して再び席に戻った。

不服そうな顔をしながらも二人はさっき指示した場所に座った。

少しの間沈黙が続く。

マズイ....何か話さなくちゃ....えっと....


「あっ....そ、そうだ、この後どうするっ?帰る?」

「水穂はどうしたいんだよ?」

蛍が何か妙に優しい。普段なら私の意見を聞かずに決めてしまうのに。

「えっとー....」

ここは帰った方がいいよね?このままいてもまた喧嘩が始まっちゃいそうだし....


「私は、帰ろうかな!テストも近いしね!!」

「そっか、じゃあ俺も帰ろーかな」

蛍が言った。ちらっとかなくんに目をやるとバチっと目があった。

とっさに逸らしてしまった。
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