HALF MOON STORY
とりあえず送ってくれたことの
お礼を口にする
駄目だ
全然ハルの顔見れない
目があったら何を口走るか
分からなくて
今日の私は
相当自分に素直
だからきっと
あなたを困らせること
言ってしまいそう
だからずっと下を見ていた
ハルの靴が見えた
ハルのお気に入りだ
すると
ハルの手が
すっと私の右手に伸びてきて
握りしめると
私の目の前まで
私の手を移動させた
そしてそこで
誘導した手と反対の手で
私の手のひらを上にむけて開かせた
そしてその手でハルは
自分のジーンズの横のポケットに
手を突っ込むと
ゴソゴソ何かを探した
私は何が始まるのだろうと
彼の顔を見た
暫くすると何かを見つけて
それを取り出し
私の手の平に置いた
何か金属製の細長い物の
感触がした
ハルが目で見てと合図するので
手のひらを見る
そこには
小さな鍵が一つ乗っていた
「俺の部屋のスペアキー」
私は驚いて彼の顔を見上げた
ハルは目線をそらして
話を続けた
「俺東京に行く前にサボテン
買ったんだ。
今日部屋に帰ったら
枯れそうになってた」
そう言ってようやく
私と目を合わせた
照れた時のハルの癖だ
「また暫く部屋に戻れないから
サボテンの世話して欲しいんだ
ほら、愛果俺がいなくて
暇でしょ。」
そう言って笑う
駄目だ
どうしてわかっちゃうんだろう
その通りなのだった