HALF MOON STORY



電話の向こうで



ハルが慌てる



「ごめん、ちょっと色々あって




ハルの声聞いたら泣けてきた」



泣いたら少し



落ち着いた



話を続ける



「ハルは元気そうだね



仕事大丈夫かな



邪魔してないかな」



「大丈夫だよ



大丈夫じゃなのは



そっちだろ」



そう言って笑った



あの優しい笑い声だ



その声はいつも



私を優しく包み込む



「ごめんビックリしたよね



今、話しても大丈夫なの」



もう一度確かめた



こんな込み入った話



正直、どこから



話ていいか判らなかった



自分の気持ちを整理しながら




正直に今日あったことを話した



勿論母のことだった



「今日行くまで知らなくて



なんだかすごく情けなかったんだ」




ハルは最後まで何も言わず



聞いてくれた



「愛果大丈夫?



ごめん俺、お前のそばに



いてやれなくて」



多分、その言葉に嘘が



少しでも混じっていたなら



私はどうしていただろう



ハルのその言葉に



多分嘘はない



あなたの私を思いやる気持ちが



素直に伝わって来た




彼はいつも正直に生きている



言葉の端々に



それはちゃんと出てくるものらしい



その言葉だけで十分だよ



ハルありがとう




そう私は伝えた



「ありがとう、ハル



声が聞けてうれしかったよ




今日は仕事なの?」



これは本心



ハルの声には不思議な



力があるらしい



私の心にあった



固い氷の様な不安は



小さくなっていた



気持ちは切り替わり



穏やかな気持ちに包まれていた



ハルやっぱり



あなたはすごい




もう大丈夫だよ





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