HALF MOON STORY
そうして
その時は電話を切った
勿論
私からだ
ハルの声で勇気づけられた私は
いつも以上に
強く
たくましくなっている
そんな気分だ
ちゃんと前を見て
歩いて帰れそう
私は立ち上がり
歩きだした
歩きながら
この後、どうしようか
考え始めた
とりあえず
塔に昇ってみようかな
塔を目指して歩いた
歩きながら
あなたとの会話を思い出す
声が聞けたのが嬉しい
久しぶりの会話
とりあえず
今の私には
母にしてあげれる事は
今までより
多く
顔を実家に出してあげる
くらい
そうだ
花を贈ろう
病室に誰も来ないなんて
辛かったのではないた
そう思ったら
少し辛かった
塔にはエレベーターが
ついていて
すぐに展望室に着いた
360度見渡せる
その展望室からは
天気が良いせいか
今日は伊勢湾まで
見ることができた
ゆっくり展望室を
歩く
眼下に広がる街は
ここから見ると
小さくて
玩具のようだった
今歩いた公園
両親の実家
子供の頃遊んだ公園
青い空の下
太陽の光に照らされて
何もかも
たいしたことではない様な
気になる
キラキラ光る
伊勢湾
ハルに見せたくて
スマホのレンズを向けた
その写真と
メッセージを添える
急に電話してごめん
声聞けて嬉しかった
メールを送信すると
安心して
景色を楽しんだ