HALF MOON STORY



いつものとおり



新幹線ホーム改札の



前での写真だった



少し眠そうなハル



気をつけてと返事を書いた



今回はしばらく



帰ってこれなくなるらしい



レコーディングも終わり



CDを出した人が



ツアーをすることになって



ハルも一緒に



全国のクラブを回ることが



決まったのだった



ツアーが始まると



東京と全国の会場を




行ったり来たりの



生活が始まるらしい




昨日パームビーチで



その話を聞いた



私は蘭や圭介がいたこともあって




その話をそれ以上



詳しく聞いたりしなかった



ハルが働いていた時からの



知り合いの人達が



その話を聞いて



ハルのいるテーブルに



代わる代わるやって来て



話していった



その度に




ワインを飲んだ私達



圭介も蘭も一緒になって



喜んでくれた





でも本当は



どうしていいか判らずにいたのだ



次の仕事が決まったハル



嬉しいくせに



素直になれない自分



正直



じぶんの気持ちを



持て余してしまう




気持ちと現実の生活が見事に



解離している今の私



時々どうして良いものか



途方にくれた





だって



正しい答えなんて



何処にも書いてない



ハルあなたに逢えない時の



寂しさや不安



そして



あなたに逢えた時の



喜び



幸せ



その両方の気持ちを




受け止めるだけで



正直精一杯になって



しまっていたのだ



こんなに誰か一人を



求めたことなど



正直初めてで



しかも素直じゃない私がいた



そして



そんな自分に不安も覚える



あなたの前ではいつもと違う



私がいるのだ



今日もそう



なんでもっと素直に



なれないんだろう







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