紅狼Ⅰ《レッドウルフ》




「堅い話はこれで終わりだが、茜」




『あ?』





「お前はもう少し危機感持て」




『ききかん?』




「ノコノコ男の部屋に来て、何事も無く帰れると思ってんのか」




『……ッは!』






そういえば、密室。






二人っきり。






あれ、やばいじゃん。




「無防備すぎんだろ、躾がいるなァ……?」




『ちょ待って待って待って!!きゃっ……!』






ズポッ





……。





『?』




「やっぱ赤い方がお前らしいな」




そういった、零弥の手よりぷらーんとぶらさがる見覚えのある、毛玉。




というより相棒。




「はいメガネも回収〜」



『……ちょ!?返せよ!』



「やだ」




俺の手には届かない、
高い位置でプラプラと遊ばせる。




このっ!




くそう届かん!!





『ソレなきゃ外出れねえじゃねーか!』





「出んなよ」





『はぁ!?』





「泊まれよ」





……!?





『なななななななななにいって』




真っ赤になって、口をパクパクさせる俺。



「別に襲いやしねぇよ。何?想像しちゃった?」



『してねぇよ!!!』



「俺とセックs『言うな!!!』」





あぁもう!!!





「嫌われたくねぇしな。ベットは一つしかないから一緒に寝てもらうけど」





零弥はニヤリと笑った。




あ゛ぁもう!!!







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