銀座のホステスには、秘密がある
アタシとほぼ同期の樹里で東様をお見送りに1階まで降りた。

「またお越しくださいませ」

笑顔でお見送りして、振り向いた瞬間。

「サラ。私のサポートについてもらって悪かったわね」

クールビューティと名高い樹里がエレベーターのボタンを押して、アタシを先に乗せた。

「どういたしまして」
「でも負けないから。今月は私の方が出勤してるから、あんたを抜いてみせる」
「樹里の気遣いには誰も勝てないって」
「そんなことじゃないのよ。売り上げでサラに勝ちたいのよ。そしてNo.1になりたいの」
「だけどさ。また新人が入ってくるらしいよ」
「またぁ?」
「うん。だから、樹里は教育係なんだから、売り上げよりもそっちを……」
「えー。今度はあんたがやんなさいよ」
「アタシは無理よ。そんなキャラじゃないもの」
「私だってイヤよ。毎回毎回教育係なんて、自分が老けてく気がする」
「樹里が欲しがってたJillのポーチ買ってあげる」
「ほんと?あー、でもモノにつられたくないー」

樹里と話すのは楽しい。
キャアキャア言ってたらあっという間にお店に着いた。

ドアを開ける前に樹里は深呼吸をする。
アタシも一瞬目を閉じて、

ドアを開ける前に、二人で目を合わせて頷きあった。
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