銀座のホステスには、秘密がある
「おはよう」
「サラさん。おはようございます。ニュース見ましたか?」
アタシが出勤するなり突進してくるハナちゃん。

「うん。見たけど」
「どうしましょう。大丈夫でしょうか?」
「何が?」
「日本ですよ」

え?

「ハナちゃん。何を心配してるの?」
隣りにいた彩乃も不思議そうにハナちゃんを見てる。

「日本が傾くかもしれません」
真面目な顔をして言うハナちゃんにアタシだけは笑ってしまったけど、彩乃はポカンとしてる。

「加藤様が総理大臣になったじゃないですか」
それでも首を傾げる彩乃に、一生懸命に説明してるハナちゃん。

「傾国の美女ですよ。サラさんが日本を傾けてしまうかもしれないんです」

「あぁ」なんて苦笑いしてる彩乃。
気持ちは分かるよ。

「加藤様。しばらくいらっしゃれなくなるわね」
樹里が出勤してきた。

「そうね。国会議事堂にピスタチオをたくさん送ってあげなきゃね」
樹里がアタシの顔を見るから、ニヤリと笑い返した。

「さぁ。そろそろ開店だよ」
次のママに決まった樹里が言う。

あちらこちらから笑い声やグラスを重ねる音が聞こえてきて、トパーズ色の店内を着飾った女の子たちが動き回る。

ここはアタシたちの舞台。

最高の女たちと、最高のお酒と、最高のおもてなしを……

クラブ モンテカルロは、今日も別世界のよう。


「いらっしゃいませ。サラでございます」




≪ Fin ≫







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