【超短編】私の隣
あっという間に、一年が過ぎた。




正式に、部署が発表され、私は財務課に配属になった。




結局、私は庶務課では、何も出来なかったような気がする。




同じ会社内だが、私の異動ということで、いつものメンバーが、送迎会をしてくれた。




そのときに、彼が代表で簡単に挨拶をしてくれた。




「もう少し馬鹿になれ。肩の力を抜いていけ。まじめすぎると疲れるぞ。続かないぞ。」と、彼が言ってくれた。




私はその言葉を聞き、確かにもう少し力を抜いて、楽に仕事をしてもいいのかもしれないと、しみじみ感じた。




『馬鹿になれ』を、私はいつも忘れず次の部署で、頑張ろうと決めた。




そして、気が楽になり、今までのように、不甲斐ないと自分のことを思うことがなくなり、仕事も順調に出来た。




しかし、新しい部署の人達と飲みに行っても、隣に座っている人に、今までと何か違う感じがし、落ち着かなかった。




何が違う感じなのかは、わからなかった。




久しぶりに、偶然、休憩中に、彼に会い、横に座った彼の存在が、心地よさと、安心感をすごく感じた。




数分間と短い間だったが、私にとっては、安らぎの時間と空間だった。




その空間から抜け出すのが、とても嫌だった。




ちょっと前までは、当たり前で感じたことがなかった、瞬間だったことと、一緒に働いていたときには、頑張らなくてはと、必死だったので、感じたことがなかったが、離れてみてはじめた感じる感覚だった。
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