Fly*Flying*MoonLight

PM2:55 ビルの外

 背中に固いものが当たり、ガラスの割れる音、が響いた。

 ……気が付いたら、身体が道路に投げ出されて、いた。

「和也っ!!」
 伶子、の声。ガラスの破片が、髪から落ちた。
「無事だったのね!?」
 駆け寄ってくる伶子。俺……は、一体……。

 はっとビルの方を見た。1階の大きなガラス窓が破られて、そこから炎が噴き出していた。

 ――楓!!

 俺は立ち上がり、窓に駆け寄ろうとした。

「何してるのっ!?」
 伶子が前に立ちはだかる。
「楓が、楓がまだ中にいるっ!」
「社長、危険ですっ!」
 誰か、が俺を羽交い締めにした。
「放せっ! 楓が……っ!」

 振り払おうとした、その時――

 一階の奥から、白い閃光が走ったかと思うと……

――地面を揺り動かすような、大爆発が起きた。
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