君色に染まれ
坂巻とは映画館の入り口で待ち合わせた。

早く着いた祐希奈はワクワクしながら立っていた。

坂巻が現れた。
「新垣さん おはよう。さあ入ろうか。」
祐希奈はエスコートされ、少し照れた。
「新垣さんはどんな映画が好き? 今日から公開の恋の雫 なかなか良いみたいだよ。」
さすが年上の坂巻はリードした。

祐希奈は
はい 坂巻さんに任せます。映画は久しぶりです。

二人はチケット売り場へ向かった。

「恋の雫 高校生1枚と大人1枚。」

「2600円になります。」

「はい。」
坂巻はチケット代を祐希奈の分も支払った。

ありがとうございます。チケットおごってくれて。

「いやいや 当然だよ。」

「ポップコーンと飲み物買おうか。」

坂巻は列に並んだ。
祐希奈はほんとは手を繋ぎたかった。
でもまだ勇気が出なかった。

ポップコーンと飲み物を買い、入場まで時間があったので椅子に腰かけた。

「映画久しぶりみたいだけど、邦画で良かった?恋愛物だし面白いよ。」

もう二人は付き合ったばかりのカップルじゃないみたいだった。

入場が始まった。

坂巻は祐希奈の手を取り、席に向かった。暗がりを歩き、席を見つけた。

祐希奈は坂巻と手を繋げて嬉しかった。
上映中何度も坂巻を見た。

映画が終わった。
< 15 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop