ふわふわりと風船
願った祈った縋った

 僕は孤独だった。

 何も信じられない自分自身に絶望していた。

 だから、暗い心の底で見つけた彼女を愛するなんて、簡単だった。

 鏡のような瞳は、咎めるように慰めるように僕を見る。

 真っ赤な唇は僕の望む言葉しか口にしない。

 体温のない冷たい指先も、黒い髪も何もかも。

 彼女を彩る何もかもが完璧だった。

 
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