ふわふわりと風船

 時間の止まったような感覚。

 青いあおいうんざりする青い空の下で、他人の笑い声に紛れることはなくなった。

 孤独に身体を震わせることも、一人だと悲しく感じる夜もなくなった。

 青いあおい空の下で、ふわりふわりとあやふやな彼女が冷たい。

 望む全てをくれるのに、どれもこれも彼女の本心ではなくて。

本心など恐ろしくて聞けない、金の作った細い糸の綱渡りのような恋。

 愛しい最愛は、それでもいいと慰めに戯れる僕を見る。

< 21 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop