みにくいおそばの子
あきれる揚げべえをよそに、おそばはいつしかすやすやと眠っておりました。
そばは元来こうした無邪気なおそばの子でした。

おそばは夢を見ていました。
自分がたくさんの友達に囲まれて立派な蕎麦になってお店に帰ってくる夢です。
たとえ夢でもおそばは幸せでした。
おやすみ、無邪気なおそばの子。

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