デスサイズ
「まあええやない。ご飯は一人で食べるより誰かと食べる方がウマいで! ほら、座って座って」
促されるまま席につくと、テーブルにゴチャゴチャな形になったスクランブルエッグと黒焦げの食パンが置かれた。
「……これはまた酷いもんだ」
「別にええやろ! パンは失敗したけどタマゴは安定の味やで」
呆れ果てたような視線を送るが鈴は全く動じない。
だが鈴の料理は見た目が不味そうでも、味は非常に良いという特徴があるのだ。
美味い物を食べさせてもらっているのは確かなので、黒斗も あまり文句を言わないでいる。
料理に手をつける黒斗と鈴。
しかし、テーブルについて向かい合っているというのに2人の間には会話が無い。
いつもなら もっと喋る筈の鈴が無言であることに不審を抱き、黒斗は思いきって口を開いた。
「……何かあったのか? 様子がおかしいぞ」
黒斗の言葉に鈴の肩が強張るが、間を置いて視線を合わせてきた。
「…………あのな……今朝、ケイちゃんのお母さんからメールが あったんや……。ケイちゃんが昨日の夜……“死神”に襲われたって……」
「なにっ……!?」
ケイちゃんこと竹長 恵太郎(たけなが けいたろう)。
鈴の中学時代の友人で黒斗とも面識があり、何度か一緒に遊んだ事がある青年。
そんな彼が、世間から恐れられている無差別連続殺人犯の“死神”に襲われたと聞き、黒斗は驚いた様子をみせる。