ユウウコララマハイル
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中村は四葉のクローバーを探すべく、休日返上で出かけていたらしい。
カケルの休日に間にあわせるように頑張っていた。


四葉のクローバーは奇形で突然変異ではない。
それは幼芽のときにストレスが加わることで四葉になるためで、探すコツとしては陽の当たらない場所、人や車などに踏まれた場所に多く発生する。
そういった予備知識をもっていると、苦労なく、ざくざく見つかるというのに。


中村の成果は実を結ばず収穫はゼロ。
慣れない筋肉を使ったから筋肉痛だ、低い姿勢で探したから腰が痛いなどの不満を昨晩捲くし立てるように言ってきた。
それはカケルが四葉のクローバーを花束のように持ち帰ったせいかもしれないけれど。


マスターから預かったくまのぬいぐるみをひとまず棚上げにして、栞制作に取りかかる。


まずは取ってきたクローバーの汚れを水道水で落とす。
色鮮やかにするため鍋で塩茹でにして、冷水を入れたボールで冷ます。
丁寧に水分を拭って、一番形のよさそうなものを選ぶ。
それを重ねたキッチンペーパーに挟み、二枚のダンボールで同様に挟む。
サンドイッチのようになったら、太目の輪ゴムできつく止める。


「ここで電子レンジの登場っと」


クローバーの大きさにもよるけれど、大体一分くらいで乾燥が終了する。


「便利になったよなぁ」


オレンジ色の光の中でダンボールがくるくる回っている。
幼い頃教わったときは、乾燥させるために辞書などに挟んで一週間くらい放置していた気がする。
ハルはどのようにして作ったのだろうか。
興味が湧いてくる。
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