あなたと私の秘密の図書室
1章

なぜ私はこんな人に出会ったのでしょうか

私は高校一年生の如月(きさらぎ)星奈(ほしな)。今日は待ちに待った金曜日、なんだけど……。
「はぁ…。」
「本当ごめんって!!文系で頼れるのは星奈だけなんだって!!」
この子は中野幸実(ゆきみ)。とにかく体育会系。体育会系だけに運動神経はいいけど、頭が絶望的。だから、文系だけはましな私にいつも教えてもらってるわけ。で、早朝から、わからないところを教えているわけ。全く。
「幸実!!おはよう!!」
「おはよう、健。」
この人は滝谷(たきや)健(たける)。幸実の彼氏さん。そしてやはりこの人も体育会系。そして、二人共々頭が悪い。
「ああ、そこか。」
え?何?あの健がわかるの?えー嘘っ!!
「俺もわかんねー。」
ガクッ!!期待して損したよ…。
「つまり、この文は、ここで区切れるでしょ?だから、こうなるの。全く、バカップルって言う言葉があるけど、幸実たちは、別の意味でのバカップルね。」
まぁ、私も理数系に関しては、悪い方だから、そこまで言えないけど。
「出た!!星奈の毒舌!!でも、そこも含めて可愛い~。」
「ちょっ…!!そ、それより、幸実たち、課題は終わったの?」
まぁ、私が教えておいたから、大丈夫だとは思うけど。
「星奈ってば、ツンデレ~だな。課題は星奈のおかげで、二人ともバッチリ!!終わったぜ!!」
なら良かった。また先生に居残りさせられて補修までさせられたら、たまがったものじゃないもの。ドン!!
「うわっ!!」
痛ー。うーん…。これでも前は見ていたんだけどな…。
「ごめん。前、見えてなかったんだ。」
と言って、爽やかスマイル。……なるほど。女うけしそうな顔しているね。それで、にっこり笑えば許してもらえると。まぁ、私には効かないけど。
「……。」
「ごめん。この子、男嫌い…。というか、男の子苦手なの。だから、勘弁しといて徹くん。」
ごめんね、幸実……。私、男の人苦手なんだ。まぁ、健は別として、初対面とかなれてない人とはしゃべれない。ってか幸実、この人と知り合い!?
「あ、そうなんだ。じゃあ、これからよろしくね。えーと…。」
「……相田……星奈……です。」
「うん。俺は神丘(かみおか)徹(とおる)。よろしくな星奈。」
よろしくな…ってね……。言われてもね…。しかも普通に呼び捨てってどゆこと?!
「じゃ、早速星奈借りるから。」
えっちょっ…。あ、でも幸実と健が断って……
「OK。じゃ、楽しんでね星奈。」
断ってない!!まて、どうして二人ともそんなニヤニヤしてるのよ!!
「じゃ、いこうか。」
あ……。う……。って…何、手つかんでんのよ!!変態!!……っては言えない…。
「手……。離……せ。」
「何で?」
何で?って、こっちが聞きたいよ!
「う。……離してください。」
「だから、嫌だ。」
嫌だって、離せよ!!
「……離してこの変態!!」
初対面の男の人にこんなに話すのは、初めて。
「へー。この俺にそんな言葉づかいしていーんだ?」
さっきのとは態度が一変。まあ、私としては、なんとなく予想はついてたから、驚かないけど。
「初めてだな。こんな事言われたの。っていってもこんなこと、今までしたことないけどな。」
あら意外。結構女の子と付き合ったりしたことあるかと思ったんだけど。
「ところで私に何の用?」
「いや、普通の女の子とは、どこか違うなとなんとなく思ったからさ。」
はぁ…。
「つまり、この私が普通の女の子とは違って可愛げがないと…?まぁそうだけど。」
うわぁ。私、結構毒舌なんだなー。
「いや、そうじゃなくて。そんなに顔可愛いし、美人なのに、自信を持ったような顔してないし、俺に興味のひとかけらもないし、ほとんど表情変わらないし。」
言っておく……っていっても言ってないけと、私は顔は普通の女の子それ以下のようなものだし、あなたがいったように、あなたに興味のひとかけらもないし、慣れた人の前ぐらいじゃないと、笑ったりしないよ。だっていつも愛想笑いとかしてると疲れそうだし。……っていってる私は変わっているのかな?
「あ、そういえば、星奈のクラス1ーBでしょ?」
「何で知っているわけ?」
「だって、俺同じクラスだもん。気づかなかったわけ?あ、そういえば、いっつも佐原たちと一緒にいたもんな。」
まぁ、だいたい、休み時間は夏乃たちと一緒にいるね。
「いやー、俺、結構みんなに知られてるけど。お前、もしや、世間知らずってやつか?」
はいはいそーですよー私は世間知らずだよーだ。
「……あのー…いつまで手を掴んでるんですか?離してもらえません?」
結構しゃべれてるよ、私。成長したなぁ。
「え?離したら星奈離れるだろ?」
「う……。」
図星すぎて何も言えない…。
「でも、みんな見てます…。」
「見てようが見てまいがいいだろ、そんなの。」
え!!嫌だ!!だって絶対女子に憎まれること決……
「見て!!あの人たちお似合いだね~!!」
「うんうん!!私も早く彼氏欲しいなぁ~。」
……決定じゃない!!まぁ、これはこれでよかったよ。……じゃない!!全然よくない!!
「とにかく離して。この変態。」
今日はこの言葉、多いな……。
「でも、みんな、お似合いだっていってるだろ?」
「でも、実際付き合ってもないでしょ?しかもあんた、彼女いるでしょ?」
「ん?いないぜ?ってか誰とも付き合ったことない。」
嘘ぉぉぉぉぉ…。
「そういう星奈はどうなんだよ?」
「いない。同じく付き合ったこともない!!」
ドン!!
「わっ!!」
うーん…。今日はよく人にぶつかるなぁ…。ん?痛くない?あれ?何で?……って、何でこの神丘っていう人に支えてもらってるの?す、すぐ離れないと!!
「あ、……ありがとう。あと、……ごめん。そっ、そっちの人もすいません!!」
「大丈夫。こっちこそごめんね。あ、君の名前は?」
金髪でかるそう……。プラス女受けしそうな顔してるな。けど、私にはそれは効かないけど。だって、イケメンとか、格好いい人、知らないし。ってか、今、名前聞いた?無理無理!!
「勝手に俺の女に手、出さないでくれる?」
「ふーん…。まぁ、いいや。じゃ、またね!!」
そう言って、金髪くんはどこかに行った。
「……さっきはありがとう。」
「じゃあ、助けてやった代わりに俺と付き合え。好きだ。星奈のこと。」
「はっ。はあっ?!本気!?」
なにいってるの!!あなた、バカじゃないの!?こんな私と!?っていうかさらっと言ったけど、最後の言葉、何?!
「本気だけど。じゃ、決まりな。」
な、なんて強引な!!
「大丈夫。俺がすぐに惚れさせてやるから。さっき、星奈を助けたのは、誰だ?それに、俺と付き合えば、あの金髪くんも近寄って来なくなるかもよ?」
う……。でも、近づかなくなるのはそうかも…。
「まぁ、お試しとかでいいからさ。」
なら……。まぁ、付き合って損することは、そこまでないだろうし。
「じゃあ…。付き合っても…いいけど……。でも、お試しよ?お試し!!」
「やった!!じゃ、教室いくか。」
「……そうだね。」
やっぱ付き合っても付き合わなくても男の人恐怖症は治らない…。
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