あなたと私の秘密の図書室

得意と不得意

教室に入ると既にみんなそろっていた。
「おめでとう!!」
は?
「二人とも、付き合ってるんでしょ?」
付き合ってない…って付き合ってるんだった…。
「何で知っているの?」
「だってあの怜翔様から星奈を守ってしかも俺の女に手を出すなみたいに言ったんだよ?誰が見ても付き合ってるってわかるよ!!」
う…。
「じゃあ、星奈さんのめでとう会しようぜ!!」
「お、いいな。それ。」
な、何言ってるの?あ、でもただ会がしたいだけだろうから、特に関係ないか。
「星奈さん、いい?」
……よりによって、なぜ男子に聞かれるのでしょうか。まぁ、ここのクラスの男子とは、結構しゃべったことあるから慣れたけど。
「……あ、いいよ。……しよっか。」
ったく神経使うよ…。
「よっしゃ!!じゃあ、明日の土曜日昼2時からで!!」
明日はちょうど休みだし、まぁ、たまにはみんなで遊ぶのも楽しいよね。みんなで明日のことについて離していると、ちょうどチャイムがなった。体育館での校長先生の長い挨拶も終わり教室に戻る。するとすぐさまホームルームが始まる…。退屈…。ホームルームも終わり、さてはてニ時間目は数学…。あぁ私が嫌いで苦手な教科…。
「じゃ、この問題わかるやついるか?」
もちろん、私はわからない。
「じゃあ、そこの寝てる子。」
あらら、神丘さん当てられちゃったよ。
「……?」
ほら、わかってない。
「ああ、そこは○分の ○xです…。」
「……正解だ。」
先生悔しそう。しかしよく寝てたのに答えられたな~。すごい。
そうこうしているうちにチャイムが鳴った。次は国語。私の大好きな教科だ~。
「なぁなぁ、二学期にもなったんだし、席替えしようぜ!!」
「おーいいねー!!どう皆?」
私はもちろん、皆も賛成した。
「じゃ、くじでいきますか!!」
前の子が引き終わって、次は私の番。特に緊張もしない。だからといって、つまらないわけでもないけど。でも、なるべく神丘さんは避けたい…。
「……23番……。」
一番寝ても見つかりにくい席だ。結構運いいな。隣の席の子とどんどんあたり、ついに神丘さんの番になった。お願いだから、22番と24番、28番は引かないで…。
「おっ!!神丘、22番……ってことは星奈さんの隣じゃん!!おめでとう~!!」
なっ!?全然おめでとうじゃない!!はー……。
「よろしくな!俺の彼女!!」
全然よろしくじゃない!!あと、最後の方がやけに大きく聞こえるのは私だけでしょうか…。
「はぁ…。よろしくじゃないね、神丘さん。」
「おい、星奈?俺の彼女なんだから、名前、せめて徹って呼べよ!!」
なっ…!!む、無理無理!!いくら何でも無理~!!
「無理!!」
「ん?よんでみなきゃわかんないぜ?結構呼べるもんだよ。それに、あの、星奈をナンパしてきた人に俺の彼女って言ったんだから、せめて名前くらい、呼び捨てにしないとな?ほら、と・お・る!!リピートアフタミー。」
んなこと言っても…。でも、あの人とはもう関わりたくないし…。
「と、とお、る…。…徹?……//」
なぜ、私はいつも赤面してしまうんでしょうか…。あと、最後、何でクエスチョンつけた?まぁ、誰に聞いても普通分かんないか…。…ってあれ神丘さ……と、徹、どうしたんだろ?うつむいてるけど…。あ、さては何か忘れ物したな?そういえば今日の国語、漢字小テストがあるんだっけ…。
「ほら、漢字忘れたなら、見せるよ?私、ちゃんと勉強してきたし。」
ドヤァ…。って、私は何ドヤ顔してんだ……。
「ち、ちがっ!!お前に照れてるだけだよ!!……あっ…。」
ん?何でそれだけで照れるんだろ?まぁ、いいや。
「とにかく、漢字ノート、忘れたの?忘れてないの?どっち?」
「忘れてない!!」
ったく…。何意地はってんだか…。そんなこんなしてるうちに先生が入ってきた。
「起立。礼。」
「じゃあ、予告していた通り、漢字小テストするからな~。」
まぁ、小テストだから、20問だけど、結構難しいから、勉強しないととれない。
「始め!!」
ん?なんか今日は思ってた以上に簡単…。問題が解き終わって、隣をチラッと見てみると…。……え?神……徹、まだ解き終わってないの?もしかして、漢字苦手なのか?さっきは数学出来てたのに。……なるほど。理系っていうやつか。大変だなこりゃ。
「終わり!!」
やっと終わった~。隣の席の人…つまり神…徹の○つけをする。……合ってる合ってる×、××……。○つけが終わって、点数は…と。……え。5点……。20点中5点て…。いくら何でもないでしょ。隣を見ると、私の○つけを終えたらしく、私の点数を見て、ビックリしていた。
「はい、」
神…徹の反応が気になるな~。
「……。」
やっぱり、ショボンてしてる。私はと言えば…やった!!満点~!!よし、この調子で満点とり続けるぞ~!!
しかし、徹、めっちゃショボンてしてる。まぁ、5点だからね。それからもずっーとショボンとしていて…。国語の授業が終わってもまだショボンとしてるから、さすがにかわいそうになったから声をかけることにした。
「神…徹?大丈夫?」
するとバッと顔を上げて…。
「やっと話しかけてくれた!!」
え。そんなこと?そんなことで回復するの?恋ってそんなものなのかな…。おかしいな……。
「次は…英語だけど。」
「あ……。忘れてた。」
あらら…。しょうがないな。
「はい、見せてやる。今度は忘れないでよ?」
やる…って…私は男子か!!
「ありがとな。」
「……別に。」
私、正直になりましょう。
「ははっ。ツンデレだな、星奈は。」
「うるさい。」
授業が 始まるって先生が当てていく。徹はというと、頭をひねってる。
「はい、じゃあ、徹さんそこ翻訳してね。」
「え、えーと…。」
……かわいそうに。しょうがないな、教えてやるか。徹のノートにこっそり書く。
「……私は明日アメリカへ行くつもりです。お土産待っててね。では行ってきます。」
「正解。」
ほっ。よかったよかった。ノートを見ると、ありがとうと書いてあった。どういたしましてとこっそり書く。なぜだかビックリしたらしい。でも、何か書いてきた。見るとなぜだか惚れた?と書いてあった。なぜ?と書くと、弱みを見せるのも惚れるうち。と返ってきた。惚れるうちに入ってるの?それは…。まぁ、いいや。
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