あなたと私の秘密の図書室

図書室

走って走って何とかまいた。
「ハァ、ハァ…ッ…ッ。」
「大丈夫か?」
そういえば、君全然息上がってないけど…生きてる?
「徹……手、かして。」
「ちょ、星奈!?」
うん、大丈夫だ。ギュッ……。って私抱きつかれてる!?
「と、徹!?」
「静かに。」
「…。」
タッタッタッ…。
「行ったか。」
「徹……さっき何で抱きついたの?」
「ん?怖かったんだろ?なら、抱きしめるチャンスかなと思って。」
「そういう訳じゃ…。」
「もー、正直じゃないんだから!!」
まぁ、抱きしめられた時、安心したのも嘘ではないけど…ッ嘘嘘!!
「……そろそろ離してくれないか?」
「嫌だ。……星奈いい匂いがする~。」
今、君、変態発言しましたよ?ちょっと警察に通報しようかしら。
「いや、やめてくれる?」
えっ!?この人心読めるの?サトリナノ?
「言っとくけど、今の言葉、全部声にでてたからな。お前わざとだろ?」
「ばれた…。」
「俺をいじろうとしたやつが悪い。顔にはでないのに、その分、言葉で伝えるもんな、お前。」
悪かったですね!!
「…そういえばここ俺と星奈だけ、つまり二人だけだな。」
「……だね。」
……なんか徹の言葉が意味深に聞こえるんですけど。 二人だけ、二人だけ。二人きり…まて、二人きりにどんな意味がある。国語的な意味ではなくて、恋愛的に。いや、マジで二人きりなんて誰もがなるよな。なんだ、なんの意味がある。二人きり…あっ!!徹が私に抱きついて来るとか?いや、でももう抱きついてるし…。もしかして、私をいじり倒すとか?うん、徹なら、あり得るわ。よし、それならば…!
「少し勉強しようか。」
よし、これだ!!これだと何も言われない!!数学をしなければ。
「あ、じゃあ英語教えてくれないか?」
うん、最初からそのつもりでしたよ。
「この単語は動詞より前にくるの。で、そのあとは動詞の原形で、そのまんま。次も同じ。」
「お!なるほど!!めっちゃ分かりやすいな!先生よりうまいよ星奈。」
「……別に。自分がやれることをやっただけだし。」
「ハハッ。ありがとう。」
「…そこ、 間違ってる。そこはbe動詞いらない。」
「あ、そうなのか。」
なんだ、わかってるじゃん。
「徹、英語できてるじゃん。」
「そ、そうか!?」
「うん、その調子。じゃあここ、訳してみて。焦らなくていいから。」
少し経って…。
「よし!!」
「できた?」
「うん。チェックよろしくな!!」
よし、やりますか!!……お、これ、結構あってる!!……でも、わかってるんだろうけど日本語になっておりません。なにこれ、これは有名なここにある大仏で奈良にあります……ここが奈良だからここにあるんじゃん!!おもしろい…。
「星奈!!何笑ってんだよ!!真剣に考えたんだぞ!!真剣に!!」
「いや、だってこの文おもしろすぎる!!おかしいと思わないの?ここはね、「ここは奈良県で、大仏で有名です。」だよ!!」
まったく珍回答をするね君は。いや、ただ単に馬鹿なだけか。訂正しよう、ただ単に国語力がないだけか。……まずは国語から教えないといけないかもしれない。うん、多分。絶対。mustだわ。
「…徹、まずは国語からしようか。」
「?お、おう。」
……重症かもしれない、これ。
「一応聞いとくけど…中学校の文節はわかるよね?」
「…形容詞とか形容動詞はわかるけどあとは分からないな。」
お前、もう一度中学校行ってこい。
「中学校で、何してたの?」
「寝てたか、雑談。」
どうりで文系が悪いはずですわ。って言うか雑談ってなんなのよ!?くっそ、私もしたかった。
「期末何点だった?国語。」
「〇〇点です。」
はっ!?な、なんでそんな点数をとる?うん、寝てるか雑談して、勉強してないととれないと思う。……ってことは。
「少しは勉強しろよバカ野郎。」
「な、何で勉強してないってわかるんだよ!!それと星奈毒舌やめて!!」
だって本当のことだし~。……まてよ、徹、勉強してたらもっとましだったのか?それどころか天才だったり?…さすがにそれはないか。でも、勉強してたらましだったのは本当のはず。よし、これから遅れを無理やりにでも取り戻させる!!
「涼~ここに俺を勉強でいじめようとしてる人がいる~助けてー。」
「徹くん、私と一緒に頑張ろう、な?」
「やめて!黒い笑みとかマジで怖い!!」
んー、私、そんなことしてないんどけどな~どーだろーー?すみません、していました。そんなことより…
「じゃあ名詞から教えるから、」
「星奈、ありがとう!!天使!!マジ神様!!嫁にください!!」
ん?最後変な言葉混じってたけど…まぁ、いいや。
説明をおえ、問題を一緒にとき、気づけば 1時間たっていた。
「ふぅ~そろそろ帰る?」
「おお!終わった!!」
「どう?わかった?」
「ああ!!めっちゃわかった!!これからもよろしくな!!あ、こんど星奈に数学教えてやるよ!!!」
ゲッ……バレてる…。まぁ、ここはありがたく教えてもらうことにしますか。
「ありがとう。」
「ハハハ…楽しみにしとけよ?」
いや、なんか怖いんですけど…。
「楽しみにしてます。でも、私からも教えるから…ね?」
「星奈…怖い。」
ん?何が怖いんだろ?怒ってないんだけどなぁ。……マジで。
「じゃ、帰ろうか。」
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