あなたと私の秘密の図書室

放課後

教室に着くと……誰もいない。えーと…
「皆家庭科室に行ったみたいだな。」
「だね。私達もいこう。」
そういえば、今何時だろ?
…あ、もう終わりますね、はい。まぁ、皆とまずは合流しますか。
「な、星奈は部活やってるのか?」
急に徹が質問してきた。
「ううん。神丘さんは?……あ。徹は?」
「いい加減なれろよ。俺もやってない。」
意外だな。バスケかなんかやってそうなイメージあったんだけどな。
家庭科室につくと…ひどい、私達をおいて、先にお菓子の味見してるとか、ひどいんだけど!!
「皆してひどい…。」
「「星奈さんが自分からしゃべった!!」」
皆が声を揃えて言った。
いや、こんなクラスなかなかないわ、凄いよ、うん。じゃなくてだな。
「いつもしゃべってないか?」
「星奈さんが自分からしゃべるなんてそうそうないよ。」
そういえばそうだよねー、私男子にいつもしゃべりかけられないと、しゃべらないんだった。
「これ、徹のおかげじゃね?徹がしつこく星奈さんにつきまとったから星奈さんも口が達者になったんじゃ?」
「それ、失礼じゃん!俺つきまとったりしてないよ!!」
そういえばそうだ。徹とずっとしゃべっていたせいか、クラスの男子をどうも思わなくなったのかも。徹すごっ!!
「うん、私もう怖くない、しゃべれる!!ありがと、神…徹!!」
「い、いや、まぁ、な。」
「徹君照れてる~星奈やる~。」
な、夏乃!?私なんかしたか!?
「…ここでイチャイチャすんのやめろ、俺らのこと考えろよ。」
いや、ね、私達付き合ってないんで…いや、付き合っていましたね、はい。って誰にいってんのよ。
「ねぇ涼、星奈、徹君。今度ダブルデートしようよ!!」
「よし、やろう!!」
「俺、夏乃と二人きりでしたいんだけど。…まぁ、今回は星奈と徹のために我慢するよ。」
「…ま、まぁ、たまには気分転換に行こうかな?別に徹と行きたい訳じゃないから!私は夏乃と一緒に出掛けたいだけだから!!」
「星奈さん、見た目は美人なのに性格は超かわいいんだな。」
……ん?この人何をいっているんだ?
「あ、さん付けしなくていいよ、別に。」
「「星奈一体どうしたんだよ?!」」
皆切り替え早いね~ってホントに私、どうしたんだろ。ま、男嫌いがなおったのはいいことだ!
「とりあえず教室戻ろう。」
ということで、教室に戻る。もちろん、お菓子も持ってきた。
「お前ら遅かったな。」
すでに先生はもう来ていて。
「…お。」
どうやら先生もこのあまーい香りに気付いたらしい。そんなこんなで皆で食べることになった。
「……お、おいしい!!」
「…絶対人気になるよ!」
口々に声がもれる。確かに、これは人気が出るはず!!
「よし、皆これからも頑張れよ!!じゃ、遅くなったし、これでホームルームは終わりな。さようなら!!」
おい、適当だな。ま、短いのは短いのでいいけど。ということでいろいろ大変な1日は終わった訳だけど…
「星奈ー!!一緒に「星奈!!帰ろ!」……そういうことなら…じゃ、また明日!!私は涼と帰りまーす!」
な、何で私が徹と帰る設定になってんの!?
「じゃ、帰ろうぜ。」
「……!!な、何で私が!?」
「ん?好き、だから?」
こ、こら!普通に好きとか言うんじゃない!
「…星奈、照れてる?」
「…照れてない。」
「照れてる。」
「…!!だから、照れてないっ!」
「照れてる~」
「……」
しつこいな、こいつ。
「じゃ、帰るか。」
「だから…!!」
「んじゃ、俺、星奈と一緒に帰るから。じゃあな。」
「付き合って早々ラブラブだな~。んじゃな~。星奈もまたな~。」
「うん。ま、またね。」
はぁ…もういいよ、一緒に帰りますよ…。しかし、まぁ男子と普通にしゃべれるなんて、本当に男嫌い治ったみたい!!こればかりは徹のおかげだな。
「ありがと。」
「…ん?」
「何でもない。」
「気になる~。」
「気にするな。」
「はぁい。」
待て、今更だけど、いまの会話、立場逆転してない?ま、いっか。
廊下を出と…
「よっ!星奈ちゃん!」
何で私の名前知ってるんだろ…。それになんだろ、この人嫌な感じがする…。別にチャラ男だからじゃなくて、それとはまた別の…ここまで考えたらきりないか!やめよやめよ!
「何でお前がここに?」
「そりゃあ、星奈ちゃんを手に入れるためでしょ。」
なぜどいつもこいつも、変なことをいうんだろうか…。って言っても2人だけだけど。
「朝も言ったと思うけど俺と星奈付き合ってるから。」
徹と付き合っててよかったと今心から思いましたよ。
「それ、本当?星奈ちゃん!」
む。なぜに私に聞いてくるんだ、君は。
「……本当ですが。」
わーお、私この人相手に何いってんだ~。本当ですが何か?って何かありますよね、絶対あるよね。あれ、そういえばこの人って、隣のクラスに朝入って行ってたかも。ってことは同い年か。ならいいや。……いや、よくないな、うん。
「……チッ。」
いや、怖いんですけど。舌打ちとかしないでくれないか?いや、まぁ、するときもあるけど、本気でしないよ。
「…なら、君から奪うまでだよ。」
なんか歩き始めたけどこの人。どしたんだ?
「星奈ちゃん!来いよ。」
いや、遠慮しときます。怖いので。どうせなら徹の方に行きたいです。
「徹……こういう時の一番いい対処法知ってる?」
「ん?なんだ?」
「……それは、逃げる!!誰も傷つかず、いい対処法だよ、じゃ、逃げようか。」
徹の手を掴んで、逃げる。
「…って!おい、星奈ちゃん!……ッチ。待てよ。」
って、追いかけてきてるんだけど!!

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