(仮) 約束。
2nd
すれ違い
「今日はありがとな。」
あたしの家の前で慶斗が言った。
「お疲れ、慶斗かっこよかった!」
「そりゃ、どうも。」
慶斗が笑いながら答えた。
あたしが好きな笑い方で……
「送ってくれてありがとね!」
もっと慶斗といたいけど、試合で疲れている慶斗を引き止めるわけにはいかない。
「…あぁ。」
間をあけて慶斗が答えた。
慶斗の様子がなんか可笑しい…。
「慶斗…?」
慶斗のほうを見上げてみたけど、ぷいっと顔を逸らされてしまった。
「けーいーとー?」
もう一度、慶斗を見つめると慶斗があたしのほっぺたを摘んだ。
「い、いひゃい…!」
「はは、変な顔。」
あたしの頬を摘みながら笑う慶斗。
「じろじろ見てんなよ。分かったか?」
「わ、分かった…。」
ようやくほっぺたを離してくれた慶斗。
「もう、何するの!痛いじゃん!!」