(仮) 約束。
「お前がじろじろ見てるから。反則。」
そう言って顔をまたぷいっと逸らした慶斗。
その頰はほんのり赤いような…。
「じゃあ、俺帰るな。」
下を向いて、慶斗はそう言った。
「あ、うん。ゆっくり休んでね!」
「あぁ。雪菜もな。」
あたしの頭をポンってして振り返った慶斗。
あたしは慶斗が見えなくなってから家に入った。
翌朝、部活のある瞬とは別に電車に乗った。
「よう。」
電車に乗ると聞き覚えるあるハスキーな声がした。
あたしの、好きな声…。
「おはよ!」
朝の電車で慶斗と会うことは珍しかった。
朝練があるのか、朝の電車で慶斗を見かけることは多くなかった。
「ふぁー。」
私の隣に座るとすぐ、慶斗が大きいあくびをした。
寝てないのかな…?
「慶斗、寝てないの?」
「ん、寝た。」
寝たって、それなのに眠いの!!
昨日の試合の疲れがまだ残っているのかもしれないし……
「ん……」
ってちょっと待って!!