〜奏〜二人の主題歌

当麻隆side

ある日、俺はいつも通り仕事終わり買い出しを済ませ帰ってきた。

冷房をつけテレビをつけ

ビールのプルタブに手をかけようとしたとたん
スマホから着信音が鳴った。

せっかくの時間を邪魔する奴は誰だ、と画面を見ると
相手は友達の祐樹

無視してやろうかと思ったけど罪悪感を残したままビールを飲むのは嫌だ。

仕方ない、楽しい晩酌のためだ。
でてやろう。

「はい…なに?」

『あーもしもし?隆?』


「俺のケータイなんだから俺以外でるわけないでしょ。」


『そかそか!ねぇねぇ今ひま?』

もうこの時点で察した。誘いの電話だろう。

「だったらなんですか。」


ちょっとぶっきらぼうな言い方になったけど
これは祐樹だから言えること。

『今から飲みいかない?』

「今!?」

さっき手をつけかけたビールを見つめる。

汗をかいてきていて下に水たまりが出来ている。

もうぬるくなってきたかな…

一回冷やさなきゃ美味しくないだろうな。

『行くの?!いかないの?』

なんて考えてる間に耳元で騒ぐ祐樹

「わかった、わかった行くよ。いくから。」

どうせ今からビール飲めないし。

『まじで!?じゃあたまにはBARいこうよ!』

「はいはい、どこでもいいよ。」

『じゃあ麻布の駅前のBARきて。』

「了解。また後で。」

ご機嫌な様子で電話をきった祐樹

今日かったビールは明日にお預けかな。
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