SECOND プリキス!!
静かに、そして気高い感じで登場したのは真っ白な毛に透き通るブルーの目をした猫ちゃんだった。
「かっ……。」
かわいい……!と、言いきれないくらい可愛い。
これは何だ!天使か!何なんだって位の可愛さだけど……。
場所が場所故に、心配になる。
ほら、此処、謎に高そうな布が沢山置いてあるじゃん。
猫ちゃんがスリスリと布に顔を擦るたびに心配になるんだ。
「灰音。猫ちゃん、此処にいても大丈夫?」
「…………。」
しかし、やっぱり返事のない灰音。
集中したように、一心不乱にスケッチブックに何かを書き込んでるから聞き返すのも…………少し申し訳ないよね。
灰音を見ると、さっきは私を見て何かしらしてたけれど、今は布と百面相をしている。
「少しくらいなら、動いてもいーかなぁ……」
集中している灰音の邪魔にならないように、静かーに立ち上がった私。
「おいで、猫ちゃん。」
屈んで手を伸ばせば。
静かに、しゃなりしゃなりと猫ちゃんは私との距離を狭める。
そして、ピョコンと。
猫ちゃんは私の胸に飛び込んだのだった。
「〜〜〜っ、ぐうかわっ!」
グウの音も出ないくらい可愛い、略してぐうかわだ。
「灰音さーん、少し外に出まーす……。」
ほんの少し部屋から出て、誰かに猫ちゃんを預けよう。
そういうことで部屋から出たのだ。
他の連盟は校舎の一室を本部として使ってる所が多い中、北高は唯一校舎外に倉庫(と言いつつ最早家レベル)があり、そこを拠点としているそうな。
だから、広いことは広いんだけど、結構部屋数は限られているから人を見つけるのは簡単そう。
階段を降りて……
取り敢えず、見覚えのある部屋に行こうと考える。
何処って、かつて灰音の鏡台がパリーンしちゃった部屋だよね。