SECOND プリキス!!




「兵藤さん。この子がさっき話した、烏丸初伊さん。」



にこやかに天音先輩はその子に言う。

さっき話した、と言うことはもうきっと、私がその子のこの学校での生活の手伝いをする事は彼女も知っているのだろう。




「初めまして。烏丸初伊と申します。」

ペコリと頭を下げればその子も頭を下げて。

「兵藤佳蓮(ひょうどう かれん)と申します。ご迷惑をお掛けしますが、どうぞ宜しく。」

見た目から予想していたよりも声は落ち着いていた感じで、お淑やかなのかな……なんて一瞬思ったが思い出した。

彼女は停学明けなのだと。



「じゃあ、兵藤さんの案内、烏丸さんにお願いするね。」

爽やかに笑う天音先輩に半ば押し出されるようにして、私と兵藤さんは廊下に出たのだった。








「こちらが更衣室でございます。」

「なぁ。」



私はただ校舎を案内して回り、兵藤さんは無言で私に付いてきただけだった。

何となく、気まずいよね……なんて。

そう思っていると、学校案内も終わりに近付いた頃、兵藤さんが声を掛けてくれた。


振り替えると大きくて真ん丸な目を興味深げに輝かせてさせて、兵藤さんは首を傾げる。


「あんた、あのキラキラの会長さんの妹なん?」

「、ええ。」



驚いた。

兵藤さん、関西弁なんだね。

このお嬢様言葉が蔓延るカナンでは聞きなれないその言葉に、何だかきゅんときた。

関西弁って何か萌えない?

私だけかな。



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