【死選】

現実

高校生活は、あっという間であった


サッカーにかけた青春は終わり
彼女は私の代わりに死んだ


大学に進みたい気持ちはあったが
年金暮らしの祖父母に、これ以上迷惑をかけられるはずもなく
私は就職の道を選んだ


祖父母は、お金の事なら気にしなくていいと、言ってくれてはいた
大学に行きたかったら、行っていいと


しかし祖父母とはいえ、居候の身分の私をここまで育ててくれて
それだけでも十分である


就職の方であるが
これといって、やりたい仕事はなく
進路指導室に掲げてあった就職一覧を適当に見て、就職出来そうな会社を見付けた


就職は、あっさりと決まった

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