終わりが欲しかったんだ、ずっと。
『茉里、まだ分からない?』
耕平は唇を離すと、その近距離を保ったまま、あたしにそう問いかけてくる。
『俺、お前のこと、いつも“好きな女”としか見てない…』
……そんなこと言われても、突然のことでまだ頭が上手く回らない…
『こんな近距離にいても俺にドキドキしない?』
『キスしても、それでも俺は“ただの幼馴染”?』
こんな近距離、耕平とは初めてで…
初めて耕平が“幼馴染”じゃなくて、“一人の男”に思えたー…
そう自覚した瞬間から、自分の心臓じゃないのでは、そう思ってしまうほど、耕平にドキドキしてるー…
『茉里、俺を好きになれよ』
……好き……
『こう…へい…』
『何?』
『今、ドキドキしてたら…それって恋…かな…?』
『…そうなんじゃない?
もし違ったら、俺がお前を一生ドキドキさせてやるよ』
耕平のいつになく真剣な顔、真剣な瞳にあたしが映っていて。
『……恋、だといいね……このドキドキが…』
言っていて、すっごい恥ずかしい。
言っていて、本当に照れ臭い…。
でも、
『恋にしてやるよ。
だから俺を好きになれ』